* 森田幸人(もりたゆきと) ※ メッセージ等はFB経由にてお願い致します
* 1954年生まれ.東京都北区出身.埼玉県熊谷市在住(2016年3月~)
* 埼玉昆虫談話会会員.日本野鳥の会 東京支部会員
*** 国営武蔵丘陵森林公園について***
1974年に開設された埼玉県比企郡滑川町と熊谷市にまたがる面積304ha の国営公園で、当時の乱開発の波を免れた丘陵地の里山環境がほぼ
形を崩さずに保全されている為、指標昆虫のハルゼミやオオムラサキ、東京近郊での激減が著しいクツワムシなどが現在も生息しています。
トンボの主たる生息環境は園内におよそ40箇所あるため池ですが、灌漑用としての維持管理の手が離れてから長い年月を経て周囲の草木が
繁茂し、日中でも日差しが届き難くなった薄暗い水域が多くを占めています。また、落ち葉などの堆積物による水質の悪化、部分的な水量の
減少や枯渇が進み、最近では悲しいことに生きた状態のまま沼落ちした倒木を目にする機会が増えて来ました。ため池に関してはトンボ相が
豊かな水域はごく一部に限られ、ほとんどが抽水植物が皆無の暗い環境故に、概ね目に付くのは環境適応幅が広い普通種が中心です。
一方、複数箇所にある人工池や人工流水路は抽水植物が豊富な明るい水域が中心になり、トンボ相も比較的多様です。定期的な維持管理が
成されている新しい環境をトンボが好んで活用した結果、ため池とは異なるトンボ相が自然に構築されたと考えられます。植物園展示棟前に
設置されているビオトープもトンボを集めた良き成功例で、 2018~19年に水生植物の池で アメリカザリガニによる食害が発覚した際、この小さな池が代替社交場として大繁盛し、激減したキイトトンボを壊滅の危機から救ったのは記憶に新しいところです。
園内ではここ数年の間に園外羽化を含む複数種の個体数が短期間に激減する事態が起きていて、SNSでのトンボ愛好者の話によれば同様の
現象が複数の地域で見られるようです。背景には外来動植物の台頭による生態系の変化、ミツバチやアカネ属を中心に深刻な影響を及ぼして
いるネオニコチノイド系農薬、地球温暖化に伴う近年の異常気象など複合的な要因があるのかもしれません。
*** フィールドワークの近況など ***
活動履歴:2013年03月 ・・・ チョウを対象に園内生息調査を開始、2年間で71種を確認(現在は72種)
2015年03月 ・・・ 調査対象をトンボにシフト、Website「国営武蔵丘陵森林公園のトンボ」を開設
2015年04月 ・・・ 埼玉県レッドデータブック 動物編2018(第4版)刊行への調査協力として観察記録を継続提供
2024年03月 ・・・ パーキンソン病と診断されるが、当面は従来通りの活動を継続することを決める
観察種数:園内確認 ・・・ 羽化殻のみを含む 52種(全種画像あり PHOTO GALLERY参照)
目撃参考 ・・・ 未同定 4種(全種画像なし オオギンヤンマ、ホンサナエ、エゾトンボsp、コヤマトンボと思われる)
生息区分:園内羽化種 ・・・ 概ね安定の13種、減少傾向の10種(内5種は激減)、園外羽化が主流の2種、実態把握が難しい3種.合計28種
過去羽化種 ・・・ かつては園内で羽化していたが、環境適応や捕食者等により壊滅、消失し、長期間観察が途絶えている3種
園外羽化種 ・・・ ほぼ日常的に園内滞在している4種と少数派の5種(内2種は激減).合計9種
稀な飛来種 ・・・ 数年に1度の散発的な飛来やごく短期間の滞在のみ確認されている12種
撮影機材:2021年~ ・・・ Sony α6600、α6400.FE 100-400mm/F4.5-5.6 GM OSS、24-105mm F4 G OSS
~2020年 ・・・ Nikon D7200.AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR
~2016年 ・・・ Nikon 1V3.1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6
RAW 現像ツール ・・・ Adobe Lightroom Classic
1974年に開設された埼玉県比企郡滑川町と熊谷市にまたがる面積304ha の国営公園で、当時の乱開発の波を免れた丘陵地の里山環境がほぼ
形を崩さずに保全されている為、指標昆虫のハルゼミやオオムラサキ、東京近郊での激減が著しいクツワムシなどが現在も生息しています。
トンボの主たる生息環境は園内におよそ40箇所あるため池ですが、灌漑用としての維持管理の手が離れてから長い年月を経て周囲の草木が
繁茂し、日中でも日差しが届き難くなった薄暗い水域が多くを占めています。また、落ち葉などの堆積物による水質の悪化、部分的な水量の
減少や枯渇が進み、最近では悲しいことに生きた状態のまま沼落ちした倒木を目にする機会が増えて来ました。ため池に関してはトンボ相が
豊かな水域はごく一部に限られ、ほとんどが抽水植物が皆無の暗い環境故に、概ね目に付くのは環境適応幅が広い普通種が中心です。
一方、複数箇所にある人工池や人工流水路は抽水植物が豊富な明るい水域が中心になり、トンボ相も比較的多様です。定期的な維持管理が
成されている新しい環境をトンボが好んで活用した結果、ため池とは異なるトンボ相が自然に構築されたと考えられます。植物園展示棟前に
設置されているビオトープもトンボを集めた良き成功例で、 2018~19年に水生植物の池で アメリカザリガニによる食害が発覚した際、この小さな池が代替社交場として大繁盛し、激減したキイトトンボを壊滅の危機から救ったのは記憶に新しいところです。
園内ではここ数年の間に園外羽化を含む複数種の個体数が短期間に激減する事態が起きていて、SNSでのトンボ愛好者の話によれば同様の
現象が複数の地域で見られるようです。背景には外来動植物の台頭による生態系の変化、ミツバチやアカネ属を中心に深刻な影響を及ぼして
いるネオニコチノイド系農薬、地球温暖化に伴う近年の異常気象など複合的な要因があるのかもしれません。
*** フィールドワークの近況など ***
活動履歴:2013年03月 ・・・ チョウを対象に園内生息調査を開始、2年間で71種を確認(現在は72種)
2015年03月 ・・・ 調査対象をトンボにシフト、Website「国営武蔵丘陵森林公園のトンボ」を開設
2015年04月 ・・・ 埼玉県レッドデータブック 動物編2018(第4版)刊行への調査協力として観察記録を継続提供
2024年03月 ・・・ パーキンソン病と診断されるが、当面は従来通りの活動を継続することを決める
観察種数:園内確認 ・・・ 羽化殻のみを含む 52種(全種画像あり PHOTO GALLERY参照)
目撃参考 ・・・ 未同定 4種(全種画像なし オオギンヤンマ、ホンサナエ、エゾトンボsp、コヤマトンボと思われる)
生息区分:園内羽化種 ・・・ 概ね安定の13種、減少傾向の10種(内5種は激減)、園外羽化が主流の2種、実態把握が難しい3種.合計28種
過去羽化種 ・・・ かつては園内で羽化していたが、環境適応や捕食者等により壊滅、消失し、長期間観察が途絶えている3種
園外羽化種 ・・・ ほぼ日常的に園内滞在している4種と少数派の5種(内2種は激減).合計9種
稀な飛来種 ・・・ 数年に1度の散発的な飛来やごく短期間の滞在のみ確認されている12種
撮影機材:2021年~ ・・・ Sony α6600、α6400.FE 100-400mm/F4.5-5.6 GM OSS、24-105mm F4 G OSS
~2020年 ・・・ Nikon D7200.AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR
~2016年 ・・・ Nikon 1V3.1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6
RAW 現像ツール ・・・ Adobe Lightroom Classic